11月の酉の日に開催される江戸の風物詩、酉の市。
酉の市で授与できる縁起物の熊手は、種類が豊富でどれを選ぶべきか迷ってしまいます。
熊手の選び方から粋な買い方、より幸せを呼び込むための持ち帰り方から飾り方まで、熊手で幸せを呼ぶための方法をまとめました。
今年のの酉の市の開催はいつ?
2023年は酉の市は三の酉まで。
一の酉
11月11日(土)
二の酉
11月23日(木)
酉の市の由来とは
今の東京都足立区花畑町、葛飾花又村というところにある大鷲神社の鷲大明神というところ。
大鷲神社の近くに住む農家のみなさんが収穫を祝って、感謝する収穫祭を行っていました。
お寺の境内など、縁日の時に農具を販売していました。
そこに縁起物のおかめなどをつけて販売するんが習慣になり、今の酉の市に発展したのです。
関東で始まった祭りですね。
大鳥神社、酉の寺、鷲神社など、鳥・鷲にちなんだ神社で毎年11月の酉の日に行われる行事。
商売繁盛、開運招福を祈るお祭りとして有名ですね。
酉の市の縁起物・正しい熊手の選び方とは?
お値段はまずはお手頃なものを購入する。
酉の市で売られている熊手は、値段が1,000円くらいから高いものになると5万円とか、●十万なんてものも販売されています。
どれを買うべきか?
いきなり高いもの、大きいものから買わず安くて小さいものから買う、というのが習わしです。
なぜ、初めてのときは値段の安い熊手を買う方が良いのでしょうか?
酉の市で授与する熊手は、お守りと同じく、毎年買い替えるのが基本です。
買い替える時、「去年よりも大きな幸運を呼び込む」という意味で、去年の熊手よりも少しでも大きい熊手、少しでも高い熊手を買うようにすると、よりご利益があるのです。
逆に去年より安い物、小さい熊手を買ってしまうと「福が下がる」ということに。
ですから、初めて熊手を買う時は、いきなり大きなものを買うと後が大変になるのです(笑)。
今年1年の間に身内に不幸があった、または事故にあった、業績が落ちてしまったという時には、あえて去年よりも小さい物を買うことがあるのです。
熊手についている縁起物によって選ぶ
熊手に飾られている縁起物には、それぞれ意味があるのです。
例えば「食物」に関する福を呼び込みたいとします。
その場合、大きな俵、鯛などがついている熊手を選ぶと良いのです。
金運アップしたい時には、小判がついているものという漢字で選びます。
熊手の縁起物が呼んでくれる七福神のご利益一覧
鶴
「鶴は千年」と言われとるように、鶴は長寿の象徴。
吉祥の鳥とも言われています。
夫婦仲が良い鳥であること、また鶴の鳴き声は遠くまで届くこともあって、「天まで届く声で鳴く、天に通じた鳥」と言われています。
だるま
座禅のお姿をされているだるまさんは、まさに「七転び八起き」。
転んでも立ち上がる姿は開運祈願、勝利の縁起物です。
招き猫
右手を上げていると「金運」を招く。
左手を上げていると「人(お客様)」を招く。
金運や良縁を招き入れる縁起物。
小判
金運アップ。
小判には「千万両」など、金運アップに良いとされる漢字が書いてあります。
鯛
「目出鯛」(めでたい)という名前。
紅白の色からも、お祝い事には欠かせないもの。
目出度い事やお祝いを呼び込みたい時の縁起物でもあります。
俵
金の俵というのは、五穀豊穣を祝って神様に祈ったり、感謝を表したりするものです。
「食」への感謝を表すもの。
俵を重ねたら「家内安全」「商売繁盛」を祈願するものにもなります。
おかめ
おかめは、またの名をおたふく。
「お多福」と書いたら、福が多いという事です。
恵比寿様
商売繁盛、豊漁、豊作
毘沙門天さま
勝負運アップ
寿老人
長寿、幸福
布袋尊
家庭円満、福徳
弁財天様
芸能、財福
福禄寿さま
幸福、富、長寿
熊手を買う~飾るまで
江戸ならではの粋な熊手の買い方とは?
酉の市で熊手を授与するのに、とっても粋な、江戸ならではの買い方があります。
授与する熊手が決まったら、まずは値段を聞いています。
教えてもらったお値段、そのまま支払いません。
ここでお値段交渉をするのが縁起熊手の買い方です。
安くしてもらった分、「御祝儀」として買ったお店に置いて帰るのです。
熊手を買ったあと、家まで帰るときは・・・
酉の市で買った縁起熊手は、リュックにしまったり、袋に入れたりせう、出来るだけ高く持って上に、上にと持って帰るのが良いのですよ。
幸せを呼ぶ熊手の飾り方
熊手を授与したら家、または職場に飾ります。
より幸運を呼ぶための正しい飾り方を紹介します。
少し高いところに飾る
熊手は縁起物です。
お札などと同じように、少し高いところに飾りましょう。
玄関に飾る
玄関は家や職場の入口ですね。
福を部屋の中に呼び込むという意味を込めて飾ります。
叶えたい夢や目標がある場合は、その方角に飾る
旅行に行きたい場所、引っ越したい場所などがある場合、その方位叶えたい場所に向けて熊手を飾ることで、願いが叶うと言われます。
方位によって縁起担ぎも出来ます。
また、その年の恵方に向けて飾るのも良いです。
ただし、北向きに飾るのだけは避けましょう。
1年間お世話になった、熊手を買い替えるとき
酉の市を行っている場所には、「熊手納め処」というものが設置してあります。
そこに感謝をしつつ、熊手をお返しし、新しい熊手を授与しましょう。
熊手のご利益ってどんなもの?
財・幸せをかき集める
熊手には、「幸運」「財宝」などをかき集めるいう意味があります。
鶴や亀、鯛、大黒様におかめ、米俵、打ち出の小槌、だるま、招き猫など縁起が良い言われるものが、たくさん飾られています。。
また、鷲が獲物をわしづかみするいうことから、幸せをわしづかみするという意味もあるのです。
火難除け
熊手には火難除けというご利益もあります。
日本武尊(やまとたけるのみこと)が、天皇の命で東征された頃、熊手は戦いの武器でもあったのです。
東征の途中、日本武尊は、静岡県の焼津で賊の焼討ちにあわれました。
その時、なぎ倒されていた草を熊手でかき集め、賊からの火を防ぎ、向火むかえびをもって賊を退治されたというエピソードがあります。
この伝説にちなんで、熊手には「火難除け」の縁起物としても知られています。