上賀茂神社のご祭神と下鴨神社のご祭神と神話
ご祭神
●上賀茂神社のご祭神
賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)
●下鴨神社・西殿のご祭神
賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)
●下鴨神社・東殿のご祭神
玉依媛命(たまよりひめのみこと)
神話
賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)は、別名を八咫烏(やたがらす)と言います。
荒ぶる神々との闘いに苦戦されていた神武天皇を、熊野から大和へと先導されたことにより、天皇から八咫烏(やたがらす)の称号を頂かれたそうです。
玉依媛命(たまよりひめのみこと)は、賀茂建角身命のお子神にあたられます。
下鴨神社には、親子の神様が祀られているのですね。
この玉依媛命が、石川の瀬見の小川(鴨川)で身を清める禊を行っておられた時に、丹塗りの矢が流れてきました。
その矢を持ち帰られると、玉依媛命は懐妊され、男の子をお産みになります。
やがて、成長されたお子神に、賀茂建角身命は「そなたの父親は誰だ?」と聞いたところ…
「父は天の神です」とお答えになり、天上に上って行かれました。
そのとき大きな雷鳴が鳴り響いたそうです。
この天に昇られたお子神が、賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)。
上賀茂神社のご祭神です。
お子神に会えなくなった玉依媛命は嘆き悲しみ、「御子に会いたい」と願われたそうです。
するとある晩、夢の中でお告げがあります。
「私に会いたければ、葵の葉でかずら(かんむり)を編み、祭をして待ってください」とのこと。
玉依媛命がお告げどおりにされたところ、お子神は神山に降臨され、お2人は再会することができました。
この時、ご降臨された神山を模して造られているのが、上賀茂神社の立砂です。
葵祭
毎年5月15日に行われる葵祭(あおいまつり)。
京都三大祭のひとつでもあり、平安絵巻のようなすばらしい美しい行列が京都御所を出発し、下鴨神社で祭儀を行った後、上賀茂神社まで移動します。
葵祭の葵は、神話の中にある「葵の葉でかずら(かんむり)を編み、祭をして待ってください。」というところからきています。
行列の衣装や御所車には、約7,500本もの葵の葉、葵桂(あおいかつら・きっけい)が飾られています。
葵桂とは、桂の小枝に二葉葵の葉を絡ませたもの。
二葉葵は上賀茂神社と下鴨神社のご神文です。
境内を流れる小川・境内の建物
上賀茂神社と下鴨神社の境内には、どちらも小川が流れています。
ならの小川、御手洗川など名前も共通していて、浄化のご利益で知られています。
玉依媛命が川で禊をされていた際、丹塗りの矢が流れてきたことがこの上賀茂神社と下鴨神社の神話の始まりです。
上賀茂神社は鴨川沿いにあり、下鴨神社は鴨川と高野川が合流するあたりにあります。
ぜひ川のパワーで癒され、心身の浄化をしてくださいね。
また、上賀茂神社と下鴨神社の境内にある建物には、橋殿、舞殿、細殿など建物も同じ名前がついています。
更に共通しているのは、どちらも屋根は檜皮葺で出来ています。
上賀茂神社と下鴨神社を参拝するには?
下鴨神社と上賀茂神社を車で移動すると、15分もかかりません。
ただ、京都の町中は道路が込んでいることも多いので、渋滞すると少し時間はかかります。
バスの場合
上賀茂神社から最寄りのバス停は、上賀茂神社前。
下鴨神社の最寄のバス停は下鴨神社前です。
市営4番のバスだと、乗り換えがなく、バス停から歩く距離も短いのでオススメです。
上賀茂神社から下鴨神社に行かれる際、いくつか降りるバス停を選べます。
「下鴨神社前」が一番近いですが、糺の森から歩いて行かれるなら「糺の森」で下車します。
出町柳駅に近いところから歩かれるなら、「新葵町」の下車がおすすめです。
徒歩の場合
下鴨神社と上賀茂神社を徒歩で移動しても、1時間かからず、45~50分です。
鴨川沿いを歩いて移動するので、素敵な散策になります。