信州善光寺に参拝してまいりました。
ご利益多きパワースポットを巡った1日を写真と共に紹介します。
長野駅から善光寺参道へ
JR長野駅に到着です。
善光寺口には、「縁」と書かれた提灯がありました。
善光寺行のバスは、1番乗り場から出ています。
JR長野駅からバス乗ること20分。
善光寺の参道までやってきました。
長野県の七味を販売する八幡屋礒五郎さんの前には、七味の椅子缶が並んでいます。
ここからは仁王門を抜け、山門まで続く道のりでは、左右に39もの宿坊が並びます。
写真は「常円坊」という宿坊。赤い門構えが美しいです。
大本山善光寺・大本願
参道に入り、最初に出てくるパワースポットは、大本願です。
大本願は、642年に開かれた尼僧寺院です。
たくましく構える狛犬。
びんずる様がいらっしゃいます。
「撫で仏様」として知られており、体の不調箇所は痛いところと同じところを撫でることでご利益があると言われています。
本理院地蔵尊。
徳川家光の御台所であった本理院の供養のためのお地蔵さまです。
ご利益は知恵|文殊堂
智恵を司る文殊菩薩、慈悲の象徴であり、人々の幸せを願う普賢菩薩(ふげんぼさつ)が祀られています。
お堂の下には、合格祈願のための石がたくさん奉納されています。
ご利益は不安解消|ひとにぎり地蔵尊
大本願のシンボル的存在で、参拝する人に癒しを与えるひとにぎり地蔵尊です。
「辛いとき 悲しいとき 苦しいとき 左手で力を入れてギュッとひとにぎりすると 安らぎとみなぎるパワーをいただけるでしょう。」と書かれています。
ご利益は子育て|子育て地蔵尊
境内寿鋼光殿の後ろ、西之門側にいらっしゃる子育て地蔵尊です。
子供をしっかりと抱かれ、少し微笑むようなお顔で立っておられます。
宝物殿
大本願の境内にある宝物殿は、有料ですが拝観することが出来ます。
天井画、「四季草花図」です。
本誓殿から奥書院への渡り廊下にあります。
貴重なものがたくさん拝見できる宝物殿です。
明照殿
結婚式が行われることもあるという、「明照殿」です。
善光寺回向柱の由来も書かれていました。
善光寺の由来となった本田義光(ほんだよしみつ)が、阿弥陀如来像を背中に乗せている像です。
思わずじーっと見つめてしまう、素晴らしい像でした。
信濃の国に住んでいた本田善光が、難波の堀江を通りかかったとき、「善光、善光」と呼ばれ、水中より如来様が出てこられました。
如来様から、自分が過去世、インドでは月蓋長者として、百済では聖明王として如来様にお仕えしていたことをお話になったそうです。
現世でも日本でも多くの衆生を救うため、善光とともに東国へ下るとお告げになり、義光は如来様を背負い信濃の家に帰ったそうです。
表書院
表書院は、公式行事に使われる玄関となっているそうです。
大本願の向かい側・白連坊のむじな地蔵
大本願の向かい側、宿坊「白連坊」の前には、「むじな地蔵」があります。
その昔、下総の国に住む一匹のむじなは、生き物を殺して生きていく自らを恥じ、善光寺にお参りして灯籠を寄進したいと思っていました。
むじなは人の姿に化け、善光寺へとやってきます。
ようやくたどり着き、安心してしまったむじなは、白連坊のお風呂で元のむじなの姿に戻ったところを見つかり、あわててどこかへ逃げてしまいました。
むじなを不憫に思った住職が、一基の灯籠をたててあげたということです。
仁王門からご本堂へ。参道のパワースポットを巡る
仁王門は、2019年10月から行われていた屋根の吹き替え工事の最終日。
ちょっと離れて仁王像を拝見します。
額には「定額山」の文字。
長く美しい参道がまっすぐに伸びています。
仁王門から善光寺本堂までは、約450m。
敷かれた石畳は、7,777枚あるといわれています。
ご利益は延命長寿|延命地蔵
昔、「如来堂」と呼ばれた善光寺本堂は、元禄13年まではこの延命地蔵尊がいらっしゃる場所にあったそうです。
釈迦堂
延命地蔵の向かいあたりに位置するのが世尊院の小御堂、通称「釈迦堂」です。
とても珍しい等身大の涅槃像(ねはんぞう)がご本尊です。
涅槃像は特別拝観の日しか見ることが出来ません。
駒返り橋
宿坊が続く道が終わり、最後の参道にはいるところにあるのが「駒返り橋」です。
源頼朝が善光寺に参拝されたとき、馬の蹄(ひづめ)が石橋の穴に挟まってしまい、ここからは歩いて参拝されたという橋です。
駒返り橋を渡るとすぐに、案内書があります。
中には「牛にひかれて善光寺参り」のエピソードが紹介されています。
信心のないお婆さんが、干していた布を角にかけて走っていく牛を追いかけ、善光寺の金堂まで来てしまったそうです。
すでに夜で当たりは暗く、牛の姿は消えるように見えなくなりましたが、なぜかお婆さんは明るく照らされています。
ふと足元に垂れた牛のよだれを見ると、「うしとのみおもひはなちそこの道になれをみちびくおのが心を」という文字に見えたそうです。
※牛だけではないよ、あなたの心があなたを仏の道に導いているよ。という意味
その夜の間中、善光寺如来様の前で念仏を称え、後日近くの観音堂にお参りすると、牛が持って行ったはずの布が観音様の足下にあったのです。
あの時の牛は、観音菩薩様だったと気づき、その後も厚く善光寺を信仰し、極楽往生されたそうです。
ご利益は厄除け|大勧進
「勧進」(かんじん)は、お寺への寄付を集める係の名です。
大勧進に続く橋がかかっているのは放生池(ほうしょういけ)。
放生池は、大勧進第80世等順大僧正に救われた民衆が築造されたと言われています。
等順大僧正は、善光寺の蔵米を全て分け与え、飢饉から救われたそうです。
不動明王が人々の煩悩を断つためにお持ちになっている三鈷剣です。
厄や邪気を払うご利益があると言われています。
八角形の形をしたお堂。
延命福徳地蔵尊です。
萬善堂の前には、賓頭盧尊(びんずるそん)がいらっしゃいます。
ここでも仏の御体を撫で、体の不調箇所の改善を祈願します。
稲荷社、山王社、天満宮と並んでいます。
仏足石。
お釈迦様の足の形を石に刻んだものです。
仏足石の隣には、延命地蔵尊がいらっしゃいます。
六地蔵・ぬれ地蔵~本堂へ
人間が死後に進む6つの道、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天の六道で、我々人間を救ってくださるお地蔵様です。
地獄のお地蔵さまは、片足が前に出ていらっしゃいます。
これは地獄にいる人々を早く助けに行こうとされているお姿と言われています。
六地蔵の向こうに小さく映っているのが、ぬれ仏。
延命地蔵尊です。
ぬれ仏は、愛する人に会いたいがため、江戸の町に火をつけ、17歳という若さで火あぶりにされた八百屋お七の霊を慰めるためのお地蔵様とも伝わっています。
長い参道ももうすぐ終わり。
山門までたどりつきました。
山門の額の字がモチーフになった、「鳩字額絵馬」が奉納されています。
大香炉。
本堂を参拝するのに「善光寺参拝のしおり」は必須です。
欄間の来迎二十五菩薩像などについて詳しく説明されており、より善光寺への理解が深まります。
本堂内陣券を購入すると、内陣に入ったり、お戒壇(かいだん)めぐりをすることができます。
※本堂内陣、山門、経蔵の3か所共通券は1、別々に買うよりお得です。
経蔵~日本忠霊殿・善光寺資料館
後光がさしているのは経蔵。
中に入ると、建物の真ん中には直径2.95mの八角の輪蔵があり、鉄眼黄檗版一切経(てつげんおうばくばんいっさいきょう)6771巻が収められています。
重さは5トンにもなり、輪蔵の重さが3.8トン、経本が1.2トンだそうです。
この重さ5トンの輪蔵を腕木を推しながら一周回すことで、一切経全てを読んだとおなじ功徳が得られるそうです。
実際回してみましたが、かなり重たいです。
経蔵券を購入すると、中に入ることができます。
※本堂内陣、山門、経蔵の3か所共通券は1,000円で、別々に買うより300円お得です。
境内の一段高いところに、美しい三重塔があります。
こちらは日本忠霊殿・善光寺資料館です。
戦争でお亡くなりになられた方の霊をお祀りしてあり、1階が善光寺資料館になっています。
仁王門に祀られている仁王像の原型が展示してありましたが、近くでみると大迫力でしたよ。
とてもオススメです。
善光寺のご利益がよくわかる絵馬もあり、やはり善光寺は強力なパワースポットだと感じる資料館です。
山門に上り絶景を堪能する
山門を登ろうと近くまでくると、とってもきれいなおみくじ結び所がありました。
さて、山門のかなり急な階段を登ってみます。
どどん!絶景。
放生池がキレイに見えます。
六地蔵とぬれ地蔵、上から見ても大きいですね。
経蔵も良く見える。
大勧進の護摩堂。
そして本堂。
この山門からの絶景は一見の価値あり。
絶景と合わせて、山門本尊の文殊菩薩像も拝見できますよ。
まだある!善光寺境内の見どころ
高尾燈篭。
「江戸吉原の三浦屋四郎左衛門が奉納した燈籠。三浦屋は吉原にあった遊郭で、遊女高尾太夫の供養塔として造立された」と説明があります。
藤原采女亮碑。
藤原采女亮(ふじわらうねめのすけ)とは、鎌倉時代の髪結いです。
理髪業の師として、理容関係者から大変信仰が厚いそうです。
木造菩薩地蔵立像。
東日本大震災の被害者を追悼し、復興を支援するために製作されました。
被害のあった岩手県陸前高田市の高田松原の松で作られた親子二体ずつの「おやこ地蔵」のうち、親地蔵一体が祀られています。
南無阿弥陀仏の六字にちなんで、6本の柱で建てられたという鐘楼。
1998年、長野オリンピックの開会を告げた鐘です。
道具塚。
善光寺御本堂の再建工事に使われた大工道具が埋められているそうです。
境内奥には、東公園。
美しい景色が広がります。
針供養塔です。
善光寺の針供養は4月8日に行われます。
井上伊月の句碑。
「思ひよらぬ梅の花見て善光寺」
「蝶に気のほぐれて杖の軽さかな」
の2句が刻まれています。
小林一茶の句碑。
「春風や牛に引かれて善光寺」
「開帳に逢ふや雀も親子連」
の2句が刻まれています。
番外編・善光寺参道のお蕎麦
せっかく善光寺に来たので、お蕎麦をいただくことにしました。
善光寺参道にある老舗のお蕎麦屋さん、大丸です。
何を食べようか迷いましたが、特製手打ちそば「天ぷらさらしなそば」を選びました。
信州善光寺へのアクセス
長野県長野市長野元善町491
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